以前北欧を訪れた際に、フィンランドとノルウェー、それぞれの伝統的な木造教会を見に行きました.
近接する国でありながら(スウェーデンを挟んでいますが)、全く異なる教会文化で面白いです.
まずフィンランドの方からご紹介.
世界遺産にもなっている、ペタヤヴェシの古い教会.
フィンランド内陸部のユヴァスキュラという街から、バスで暫く行った森の中にあります.
まず、辿り着くのにひと苦労・・・
バス停がわからず駅前を彷徨い、ようやく乗れたものの、バス内のアナウンスが一切ない.
バス停にそもそも名前がない.
ひたすら続く森の中を、黙々と進むバス・・・
バス停の数を数えて、そろそろかという辺りで、人がたくさん降りる気配.
ここか?!と思い一緒に降りたら、学校があっただけで、全然手前でした・・・
何の目印もない薄っすらした地図を片手に茫然としていると、たまたま通り掛かった女性が救いの手を! 感謝!
でも間違えたおかげで、フィンランドの美しい森の中をのんびりお散歩出来ました♪♪
フィンランドに行かれる際には、ぜひ内陸の田舎の方にも行かれることをお勧めします!!
電車からでも歩いていても、どこまでも続く白樺の木立の間にふと光る湖面が現れるのは本当に感動的でした.
まさに「森と湖の国」なんだということが体感できます.
さて、教会.
私が訪ねたのは9月中旬で、オフシーズン.
事前に予約していたのですが、結局早く着きすぎてしまい、係の人が来てくれるまで外で待機.
小雨も降っていて寒い寒い.北欧の9月を侮ってました・・・
(ちなみに9月中旬~10月頭にかけての北欧滞在期間中、半分くらい雨でした.行かれる方のご参考に・・・)
そしてようやく中へ.
ログ構法で作られておりで、内部も木がそのまま表わしになった、とても素朴な教会.
でも思いのほか天井が高く、広がりのある空間になっています.
説教壇の聖人様と天使たち.
なんとも可愛らしく、温もりがあります.
ヨーロッパの中心から遠く離れたフィンランドの地で、権威や形式からは隔たった教会文化が育まれたのですね.
聖人として理想化された姿ではなく、「そこら辺のおじさん」な風貌の聖人様は優しげで、親しみを感じます.
湖ごしに見る教会.
かつては教会が木製ボートを所有しており、日曜には家々を巡って、礼拝に参加する人々を教会に届けたのだそうです。
晴れた日に湖上からアプローチできたら、より素敵だろうなぁと思います.
Data:
Petäjävesi vanha kirkko(ペタヤヴェシの古い教会)
建設:1763-65, 鐘塔 1821
※参考文献:「図説 北欧の建築遺産」(伊藤大介著/河出書房新社)